わたしの上には
何もない
わたしの下にも
何もない
星が
わたしを見るとき
きっとわたしは空の上
銀色の太陽が
見上げて言う
あの蒼い星には
わたしのために
歌うものがいる
だからいつもわたしは
あの星を見上げて泣く
わたしの涙が
愛しいあの星に届くよう
風よ、吹いておくれ
わたしの上には
何もない
わたしの下にも
何もない
金色の月が
見上げて言う
天の川よ
あなたの絶えない流れは素晴らしい
それにもまして
あの蒼い星の麗しいこと
わたしのために
踊るものがいる星
わたしは思う
暗い宇宙の広がりを
時から離れ漂っていく
無数の星が在ることを
上も下もなく
移動し続ける星の在処を
記す(しるす)ことは出来ない
宙のちぎれ雲
ひとつ
それがわたし
住処を記すことのない
星
ひとつ