• ティト


明るさを増した灰色の空から

冷たい雨が降る

「わたしはわたし」

楽しさなんて

どこ吹く風

冷たい雨は

運んでいく

人の涙を運んでいく

流した涙を

流さなかった涙を

拾い集めて

ひとつぶずつ

雪に変える

重いものを軽やかに

ぽつり

ふわり

ふわり

ぽつり

ぽつり

ふわり

一粒づつ

音もなく

地面に抱かれて

溶けてなくなる

きっとそこから

草が芽吹く

しなやかなみどりの

娘たち


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重い雨が降る ザア ザア と 澄んだ雨が降る ざんざんと 音が集まって トントントン ぽつぽつポン 雨の音を 言い表す言葉はない 耳を澄ましてみても ざあざあと 言ってはみても それは 本当に 耳が聞いた 音では ないかもしれない いつか誰かが言った 記憶の言葉 かもしれない コンコンぽつぽつザパザパ それを一度に混ぜた音 今耳にはそうきこえる 重なり合う音の 響きに包まれ 嬉しさが 溢れる 無尽