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  • ティト

瞳を閉じて


瞳を閉じて

胸に降る

小糠雨の音を聞け

その雨が光るのを聞け

雨は雪に変わり

白い音の影を踏みながら

歩く

枝に積もる細い雪を

そっと指でなぞるとき

溶けていく雪に

胸が躍る

足は

柔らかく

消えゆくものを追いかける

空気は

甘く透き通る

雪菓子の味

フクロウが目を覚まし

低く歌い始めるとき

木立の向こうから

馬の足音

歌や笑い声響き

振り向けば

妖精たちの行進

近づく

舞い上がる雪のかけらは

招待状

受け取ったなら

いちばん後ろの白馬に飛び乗り

フェアリーレイドを駆けていけ

扉が開くのは

ほんのひととき

さあ

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